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みずうみをつくる

私が小学校3、4年のころ、子どもたちのあいだで、まことしやかにささやかれた話があった。

みずうみがつくれるらしいよ。
地面穴を掘って、ビニールをはって、石で止めて、そこに雨水をためておくと、
雨のたびにみずたまりが、どんどんと大きくなって、近くの家とかも飲み込むほどになって、
そうなるともう人の手では、みずたまりがみずうみとなっていくことを止められないらしいよ。
こわいねぇ。

わたしは、友達が話してくれたその話に「へええ~」と聞き入って、絶対自分で試してみようと思った。
けど、もし自分の住んでいる家までみずうみに飲み込まれて、住めなくなったらどうしよう。
きっと困ったことになる。と思うと、なかなか勇気がでなかった。

売れ残った分譲地がところどころ残って空き地となっている場所に、ビニールが敷いてあると、どきどきした。
「だれかが、みずうみを作ろうとしている。隣の家はきっと水の中に飲み込まれてしまうんだな。」
と、期待と不安でどきどきした。


いまでも、じめんにビニールがしばらく敷いたままになっていると、そのときの期待と不安がうずきだす。

「あ、誰かがみずうみをつくろうとしている。もうすぐこのあたりは、みずうみに飲み込まれてしまうんだろう。」


最近、このことをなぜかよく思い出す。

見慣れた景色に、みずうみが入り込むことを、どこかで期待しているのかもしれない。

大人になって、純粋な期待を持つことはだんだん難しくなっているのかもしれない。
大人の「期待」のなかには、損をしないことや、得をすることや、守られることや、自分が成長することなど、実際的な要素がどうしても入りこんでくることが多い。

ただ、「ビニールと石でみずうみが作れるかもしれない」などという他意のない純粋な期待からは、いつのまにか遠くなっていたのかもしれない。

そういう期待を忘れてはいけないから、心の深い部分が教えてくれているのかもしれない。
ただの、本当にただの「期待」に心を動かしながら、生活していくことが、たぶん私には心地よいこと。
このままいくつになっても、そういう期待と遊んでいたい。

自分の人生に、過剰な期待も不安ももたずに。

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板坂 淳子(山本 淳子)
1974年生まれ
関西在住

家族 夫と3人の娘

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